介護保険サービス事業を始めよう【事業の種類】

介護事業を始める

 介護保険サービス事業は、介護サービス利用料金の9割が介護保険給付により賄われ、利用者が負担するのは1割のみです(ただし、平成27年8月からは一定の収入がある高齢者の場合、2割負担となるようです)。このように、事業者からすれば、利用料金のほとんどが介護保険給付により回収できるというメリットがあります。

今回は、新たに介護保険サービス事業を始めようと考えている方向けに、事業の種類を説明していきたいと思います。

介護保険サービス事業には、どのようなものがあるの?

 介護保険の適用を受けるサービスを提供する事業者を指定事業者と呼びますが、事業の種類をみてみますと、次の3つに大まかに分けることができます。

1.指定居宅サービス事業(介護保険法第41条第1項)

2.指定施設サービス(同法第48条第1項)

3.指定居宅介護支援事業(同法第46条第1項)

指定居宅サービス事業とは?

 指定居宅サービス事業とは、在宅の要介護者に対して居宅サービスを提供する事業です。

 居宅サービスというと、自宅にいながら介護サービスを受ける訪問介護、訪問看護などをイメージしやすいと思いますが、要介護者が特別養護老人ホームなどの施設を訪問して介護サービスを受けるデイサービス(通所介護)のほか、施設に短期間入所して介護サービスを受けるショートステイ(短期入所生活介護)も居宅サービスに含まれます(介護保険法第8条1項)。

さらに、分かりづらいところですが、有料老人ホームなどのケアつきの住宅のうち、特定施設と認められている施設(ケアハウス、軽費老人ホームなど)で受ける介護サービスも居宅サービスに含まれます。施設に入るのに居宅サービスなの?と思われるかもしれませんが、有料老人ホーム等はあくまで「居宅」であるとの理解があって、そこで受けるサービスなので居宅サービスということなのでしょう。

指定施設サービスとは?

 指定施設サービスとは、特別養護老人ホームのような施設に入所して長期間介護サービスを受ける類型です。これは、寝たきりであったり、認知症が進んでいたり、在宅で生活することが難しい状態である方が利用できる介護サービスであり、要支援者の方は利用できません。施設の種類としては、特別養護老人ホーム(介護保険法上は、指定介護老人福祉施設といいます。)、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設があります。

指定居宅介護支援事業とは?

 3つ目に、居宅サービスとも施設サービスとも異なる指定居宅介護支援事業について簡単に説明します。指定居宅介護支援事業とは、居宅サービスを受ける要介護者のために、ケアプランを作成する事業です。ケアプランとは、どのようなサービスをどれくらい受けるのかを決める計画のことです。このケアプランをもとに介護保険サービス事業者と契約を結ぶことになります。ケアマネジャーと呼ばれる方々はこの指定居宅介護支援事業者のもとで働くことになります。

 なお、以上のほかに、要支援の方を対象とする事業を行う類型や、当該市区町村に住む要介護者に向けてサービスを提供する地域密着型サービス事業、福祉用具貸付事業などがあります。

最後に

 高齢者の増加、老老介護の増加からすれば、市場から需要が減ることはまず考え難いと思います。介護保険サービス事業を始める方にとっては、介護保険サービス事業の種類、提供する地域を選別することが安定した経営を図る為に必要でしょう。

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