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介護保険サービス事業者として指定を受けるまでのステップ~書類の申請から指定事業者の公示~
介護保険が適用されるサービスを提供する事業者は、事業所ごと、サービスの種類ごとに地方公共団体から指定を受けることが必要です。在宅、施設、居住系サービスについては各都道府県が指定を行い、地域密着型サービスについては、各市町村が指定を行います。指定の受け方は、どのような法人が申請しても同じであり、前回説明した、指定を受けるための要件を満たしていれば、その事業所が置かれている都道府県に申請を出すことで指定を受けることができます。
今回は、この指定を受けるまでの手続きの流れ(ステップ)を説明したいと思います。
1 申請方法
1.1 申請場所
指定を受けるためには、その事業所が立地している地方公共団体に申請書類を提出します。
例えば、東京都の場合は、施設サービスについては、「福祉保健局 高齢社会対策部」に、地域密着型サービスを除いたその他のサービスについては、「東京都福祉保健財団 事業者支援部事業者指定室」に、地域密着型サービスについては各市区町村に申請します。
1.2 指定スケジュール
指定までのスケジュールは各地方公共団体によって異なるので、詳細は各地方公共団体にお問合せ下さい。
例えば、東京「都」の場合は、以下のとおりです。
1.2.1 申請に係る事前相談
申請に係る質問受付や事業者の事業計画の確認等を行います。
※希望者が「福祉保健財団 事業者指定室」に電話で予約することで行えます。この事前相談は必須ではないですが、事前相談を行った方がスムーズに手続きを進めることができるでしょう。
1.2.2 指定申請(指定前研修)の申込み
申込期日は、指定(予定)日の3ヶ月前末日です。
1.2.3 指定前研修の受講
指定前研修は必須です。
1.2.4 新規申請(申請書の提出)
指定前研修を受講した後、申請書を作成の上、「福祉保健財団 事業者指定室」に申請日時の予約を行った上で新規申請を行います。
1.2.5 受理
申請受付期間内に受理される必要があります。記入漏れや書類の不備があった場合には受理されません。
1.2.6 審査
申請内容が人員、設備及び運営基準を満たしているかの審査を行います。
1.2.7 指定
毎月1日付けで指定を行います。
1.2.8 情報提供・公示
「WAM-NET」及び「東京都介護サービス情報」で情報提供を行います。新規指定事業者について「東京都公報」に登載されます。
1.3 申請書類
申請書類は、第1号用紙と添付する書類です。添付する書類の内容はサービスの種類ごとに異なりますが、概ね次のようなものとなります。
1.3.1 申請法人の登記簿謄本
1.3.2 サービスを提供する職員を記載した用紙
※職員氏名・職員の資格・勤務態勢・勤務表を付ける。
1.3.3 事業所の管理者の略歴に関する書類
1.3.4 サービス提供責任者を置く場合の、サービス提供責任者の略歴
1.3.5 本体と独立した事務所の平面図や写真
1.3.6 その他、運営基準、苦情処理の対応等の運営に関係する書類
サービの種類ごとに異なる書類の詳細は、各地方公共団体に問合せましょう。
なお、通常、書類のフォーマットは各地方公共団体がホームページ等で公表しており、東京都の場合は「東京都介護サービス情報」の各サービスの該当ページに書類のフォーマットがあります。
2 最後に(まとめ)
以上、介護事業サービスを行おうとする事業者が指定を受けるための申請方法について説明してきました。
このように、地域密着型サービスについては各市町村が指定を行い、地域密着型サービス以外のサービスについては各都道府県が指定を行います。
そして、指定権者が各都道府県の場合であっても、サービスを実際に受けるのは各市町村の住民であることから、市町村において、都道府県が行う指定に意見を述べることができるようになっています。そこで、都道府県に対する申請の際には、都道府県の指定管轄の担当者だけではなく、市町村に対しても事業やサービスに関する情報を提供し、連携を図っていくことが有益でしょう。
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