介護職員の募集をしよう!!【人材を確保するための経営者が知っておくべき制度】
現在、介護の人材不足は深刻です。平成26年9月28日の日経電子版の記事によれば、政府は離職率を低下させる為、2015年度から介護事業者が受け取る介護報酬に職員の賃金を増やす原資を加算するようです。
さて、このような状況下において、以前の記事でも紹介しましたが、介護保険サービスの場合、指定を受けるためには適切な人員基準を満たさなければ、そもそも指定を受けることができません(「介護保険サービス事業者として指定を受ける方法」参照)。
なかなか人材が集まらない場合は、どのような方法があるでしょうか。
1 人材紹介会社を利用する
これは誰しも思いつくことだと思います。ただ、開業にあたっての費用はできるだけ抑えたいところですし、人材紹介会社との契約上、雇用契約が成立した場合に報酬を支払わなくてはならないことが多い筈です。そうすると、せっかく雇用契約が成立したものの、すぐ辞められてしまっては無駄金になってしまいます。
2 都道府県福祉人材センターを利用する
都道府県福祉人材センターは、社会福祉法に基づき、都道府県知事の指定を受けて都道府県社会福祉協議会に設置されているものです。福祉人材センターは、職業安定法に基づく認可を受け、無料で雇用契約の成立のあっせんを行っております。したがって、福祉人材センターに求人登録するとよいでしょう。
社会福祉法
(指定等)
第93条 都道府県知事は、社会福祉事業に関する連絡及び援助を行うこと等により社会福祉事業従事者の確保を図ることを目的として設立された社会福祉法人であつて、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、都道府県ごとに1個に限り、都道府県福祉人材センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。
(業務)
第94条 都道府県センターは、当該都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。
一 社会福祉事業に関する啓発活動を行うこと。
二 社会福祉事業従事者の確保に関する調査研究を行うこと。
三 社会福祉事業を経営する者に対し、第89条第2項第2号に規定する措置の内容に即した措置の実施に関する技術的事項について相談その他の援助を行うこと。
四 社会福祉事業の業務に関し、社会福祉事業従事者及び社会福祉事業に従事しようとする者に対して研修を行うこと。
五 社会福祉事業従事者の確保に関する連絡を行うこと。
六 社会福祉事業に従事しようとする者に対し、就業の援助を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、社会福祉事業従事者の確保を図るために必要な業務を行うこと。
3 介護労働安定センターを利用する
介護労働安定センターとは、「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」第15条に基づき、厚生労働大臣から指定を受けた一般社団法人又は一般財団法人であって、介護分野全般に対する支援事業を行うものをいいます。全国に一つのみ存在し、現在、公益財団法人介護労働安定センターが指定を受けています
求人の関係でいうと、介護労働安定センターでは、介護サービスインストラクターによる相談、情報提供が無料で行われているようです。全国に一つのみと先ほど述べましたが、各都道府県に支部又は支所がありますので、そちらを利用してみて下さい。
介護労働安定センター
介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律
(指定等)
第十五条 厚生労働大臣は、介護労働者の福祉の増進を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、第十七条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、介護労働者の福祉の増進に資すると認められること。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「介護労働安定センター」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 介護労働安定センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
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