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介護保険サービスを受けるには!?【必要な手続きと実体】
現在の65歳以上の高齢者の人口をご存知でしょうか。
総務省の発表によりますと、平成25年においては、総人口の25パーセント、つまり国民の4人に1人を高齢者が占めるに至りました(表1参照)。
さらに、今から約20年後の平成47年には総人口の33.4パーセント、国民の3人に1人が高齢者となると見込まれています。
今後、高齢者の心身の健康、尊厳を保持するため、介護サービス事業は、より一層重要なものになっていくものと思いますが、そもそも、介護保険サービスを受けるにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
出典:総務省統計局
法律はどうなっている!?
まずは、法令を見てみましょう。
介護保険法では、介護保険給付を行う保険者を市町村及び特別区とし(介護保険法3条1項)、介護保険に加入する被保険者を「65歳以上の者」(①)、「40歳以上65歳未満の医療保険加入者」(②)と定めています(同法9条1号、2号)。法律上は、①に該当する被保険者を「第一号被保険者」、②を「第二号被保険者」と呼んでいます。
なお、①および②に該当する場合でも、指定障害者支援施設に入所しているようなときは、そちらの施設で必要なサービスを受けられるということもあって、介護保険の被保険者とはなりません(介護保険法施行法11条1項)。
さきほど触れたとおり、現在は、人口の4分の1が65歳以上の高齢者ですから、第一号保険者だけでも日本国民の4分の1程度存在することになりますね。
もっとも、第一号被保険者、第二号被保険者となり、介護保険料を納付しているからといって、それだけで介護保険サービスを受けられるわけではありません。
実際に介護保険サービスを受けるには、要介護・要支援の認定を受ける必要があります。また介護事業者から言えば、要介護あるいは要支援の認定を受けている人に対して介護保険の給付サービスを提供することになります。
要介護・要支援とはどのような状態をいうの!?
正確な定義は介護保険法7条1項と2項に定められておりますので参照してもらえればと思いますが、心身上の障害により、食事や排泄といった日常生活の基本的な動作について常時介護を必要とされる状態を要介護状態、常時介護を必要とはしないけれども、介護を必要とする状態への悪化を防止、軽減が必要とされるのが要支援状態ということになります。なお、40歳から65歳未満の第二号被保険者が要介護・要支援の認定を受けるには、その要介護状態、要支援状態が関節リウマチや癌といった国が定めた特定疾病から生じている必要があります。
要支援状態はその段階によって、要支援1、要支援2に区分され、要介護状態は要介護1から要介護5までに区分されております。数字が大きいほど、支援あるいは介護の必要性が高いものとして区分されるのです。
この認定によって、介護保険で利用できるサービスの種類および限度額の上限が異なりますので、介護サービスを受けようとする方にとっては、かなりの関心事になると思いますし、介護サービスを提供する事業者としてもこの制度について理解をしておかないといけないこととなります。
その後、要介護認定あるいは要支援認定に応じてケアプランを作成し、そのプランにそってサービスを利用するようになるのです。
手続きの概略
Ⅰ 申請
保険者である市町村及び特別区に対して、本人や家族が申請をします。
Ⅱ 要介護(要支援)認定
介護保険を担当する職員が、家庭を訪問し、質問などを行います(認定調査と呼ばれます。)。また、本人の主治医に意見書の提出を求めたりもします。
その後、認定調査と意見書をもとにコンピューター分析を行い、一次判定をします。
さらに、介護認定審査会による二次判定を行い、申請者に対して、認定結果を通知することになります。
Ⅲ ケアプランの作成
ケアプランとは利用する介護サービスの計画のことをいい、地域包括支援センターあるいはケアマネージャーと呼ばれる介護支援専門員に依頼してケアプランを作成することになります。もっとも、本人で作成することも可能です。
Ⅳ 利用の開始
ケアプランにそって、介護サービス提供事業者と契約を締結し、サービスの利用を開始することになります。
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